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ADHDと他の疾患

「自閉症」とADHDはどう違うの?

他者とコミュニケーションがうまくとれない「自閉症」も発達障害のひとつです。
ADHDとは違い、特定のものに強く執着するなどの特徴があります。

「自閉症」と「ADHD」は、どちらも発達障害ですが、症状の背景はまったく違います。 自閉症の大きな特徴は、

  • 対人関係がうまく築けない、
  • 言葉の遅れがある、
  • 特定のものや行為に対して強く執着する、
という3点です。

「多動」は自閉症の子どもにも見られることがありますが、行動の原因はまったく異なります。 例えば「授業中に立って歩いた」場合、ADHDの子は、窓の外などに興味のひかれるものを見つけたことがきっかけだったことがわかります。 しかし自閉症の子は、何が誘引となったのか、周囲からは理由がはっきりわかりません。

またADHDの場合、多動・衝動的な行動によって、自分だけでなく周囲も困らせてしまったことを十分に理解しています。 一方、自閉症の子は、相手の気持ちを理解する能力が十分に備わっていないためにその場の雰囲気が読めず、ルールに従うことができません。


「アスペルガー症候群」とADHDはどう違うの?

「アスペルガー症候群」

知的障害はありませんが、コミュニケーション能力に欠けるのが特徴です。 「アスペルガー症候群」は、自閉症と同じく「対人関係がうまく築けない」「ひとつのことにひどく執着し、こだわりを持つ」といった特徴を持っています。 自閉症との違いは、言葉や知能の発達に遅れがないことです。知能に遅れのない自閉症(高機能自閉症)とよく似ています。

しかし、アスペルガー症候群の子は、「相手の気持ちを汲む」「言葉の裏を読む」といった能力が不十分なため、他者とのコミュニケーションがなかなかとれません。 また、自分がこだわっている対象に変化が生じると、とたんにパニック状態になるなどの症状も見られます。 行動の原因を周囲が理解することは難しく、人間関係がうまくいかなくなりがちです。

その意味では表面的にADHDと共通しますが、ADHDの子は相手の気持ちを思いやることはできます。 ただ、衝動的な行動が原因で、結果的に対人関係がうまくいかなくなるだけなのです。


「アレルギー疾患」の子はADHDになりやすい?

アレルギー疾患を持つ子は、落ち着きのない子が多いといいます。
ADHDの多動と似ている部分もありますが、両者はまったく関係ありません。

近年、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーといったアレルギー疾患を持つ子どもの数は年々増加しています。 そういった子どもに落ち着さがないのは、静かにしていなければならない場でも、咳やくしゃみが出たり、皮膚や目・鼻のかゆみによって、常に体を動かしてしまうからだと考えられています。 この落ち着きのなさは、ADHDの多動とはまったく違うものです。

アレルギー疾患は、一定の食物やハウスダストなどアレルギーの原因物質に触れることによって引き起こされます。 生まれつきの行動特性を持つADHDとは、根本的に違う疾患なのです。 したがって先にアレルギー疾患があり、それが原因であとからADHDを発症するということはありません。 アメリカではADHDの民間療法が多数存在します。 そのひとつに、アレルギー食を排除するというものがありますが、何ら医学的な根拠はありません。


ADHDの子は「精神病」になりやすい?

ADHDの子は、自分が周囲に理解されない経験を重ねるうちに精神的ストレスを抱え込み、それが原因で抑うつ状態になることがあります。 心の風邪ともよばれる「うつ病」は、ADHDの子に多いといわれています。 「ADHDがそのまま精神疾患に移行する」というより「ほかの精神疾患を合併する」といったほうがよいでしょう。

ADHD特有の行動が原因で起こるさまざまな状況の中で、子どもは周囲から責められたり叱られたり、あるいは、いじめられたりすることがあります。 小さい頃からそのような環境で育っていると、子どもは疎外感や孤独感に苦しみながら成長することになり、年齢が上がるごとに精神的ストレスを強めていきます。

そのストレスが自分の内面に向かうと、抑うつ状態を招き、うつ病を合併します。 逆に内側にため込んだエネルギーが社会へ向かうと、「行為障害」(非行)という形であらわれます。 周囲の大人は子どもの苦しみに目を向け、二次的な精神疾患が起こらないよう適切に対処したいものです。







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